駅舎巡り 山口~福岡へ

山口県

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西岩国駅(にしいわくにえき)

熱い陽光が、岩国市の錦見六丁目に輝く西岩国駅。JR西日本岩徳線の一部として、この駅は1929年(昭和4年)4月5日に岩国駅として誕生しました。しかし、後に1942年(昭和17年)4月1日には西岩国駅に改名。そんな変遷の歴史を胸に秘めながら、今も地域の人々の足として、そして旅の舞台として多くの人々を迎え入れています。

駅舎は特筆すべき美しさを誇ります。錦帯橋を模したアーチ部分は、まるで時代を超えた幻想的な絵画のよう。その壮麗なデザインは、人々の心に深い感動を与えることでしょう。

実際の駅舎の所有権はJR西日本から岩国市へと委譲され、地域を愛するNPO法人「西岩国・駅と広域まちづくりの会」が駅舎の管理にあたっています。愛情が込められたその運営は、駅を訪れる人々に心地よいぬくもりを伝えています。

1番線ホームには昔の面影が残されています。かつて団体客や出場用として使われていた木製のラッチは、時の流れと共に物語を刻みました。しかし、現在はタクシー用の駐車場との境界柵により出入りすることは叶いません。駅は過去と現在が交差する、切なくも美しい場所なのです。

そして駅舎内には、かつての駅事務室が展示室として生まれ変わりました。地域の歴史や文化が息づくこの空間は、まるで宝物のように輝いています。野菜や加工品、手芸品などが展示・販売される「旬彩館」と、土曜の朝市会場もあり、ここでは人々の笑顔と喜びが交差しています。それらは地域交流を目的として、熱心なNPO法人が大切に運営しているのです。

西岩国駅は、ただの駅ではなく、心の交流の場として輝いています。官能的な魅力が漂うこの場所は、誰もが心を奪われることでしょう。足を運べば、素敵な物語が待っています。

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特牛駅(こっといえき)

美しい山陰本線の特牛駅(こっといえき)は、下関市の豊北町に佇む。その名は、珍しくも難解な駅名で、世に知れ渡った存在だ。

駅名の由来は、地元の「コトイ」に由来しているとされるが、その謎めいた語源は諸説ある。方言で「牝牛」を指す「コトイ」から来たとか、日本海に面した小さな入り江を表す「琴江」から派生したとか。更には「重荷を負う強健な牛」を象徴する名前とも言われる。

特牛駅は、映画『四日間の奇蹟』の撮影でも使用され、多くの人々を魅了した。かつては映画の看板が誇らしげに立ち並び、角島を舞台にした感動のシーンに特牛駅が「伊上畑駅」として登場したのだ。主人公の真理子(石田ゆり子)が失意の中、ホームから飛び込もうとする場面で、倉野順次(西田敏行)・和枝(松坂慶子)夫妻が彼女に声をかけ、新たな希望を見いだす感動的な回想シーンがそこには映し出された。

駅舎内には猫がおり、利用者は触れ合いを楽しむことも出来る。

特牛駅の名は、その独特な難読駅名ゆえに、世間の注目を浴びてきた。謎めいた存在として多くの人々の好奇心をくすぐり、訪れる人たちで賑わっている。その名の響きが、心を奮い立たせる何かを秘めているような気がしてならないのだろう。訪れた人々が、不思議な魅力に引き寄せられる特牛駅。これからもその謎は、時を超えて語り継がれていくのだろう。

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門司港駅(もじこうえき)

甘美なる門司港駅は、北九州市門司区西海岸一丁目に慎ましく佇む。鹿児島本線の玄関口として、九州の鉄道史に深い歴史を刻んできた。

かつては、関門連絡船の交差点として、躍動と喧騒が交じり合う駅だった。今はその歴史を偲びつつ、美しい駅舎が観光客の憩いの場となっている。関門トンネルの開通により門司駅が新たな接続点となり、当駅は門司港駅へと名を変えた。その駅舎は1914年の誕生で、ネオ・ルネッサンス様式が美しく彩る左右対称の姿が特徴だ。

第二次世界大戦の痕跡が、今も駅舎に残されている。厳しい戦火を受け、傷ついたが、再生の力強さで立ち直ったのだ。門司港駅はもはや本州と九州を結ぶ鉄道輸送の中継点ではないが、地域の愛される観光名所として、古き良き時代の面影を今に伝えている。

保存修理工事が終え、駅舎はかつての栄光を蘇らせた。モルタルが外壁に塗られ、屋根は石盤で覆われ、誇り高き時計台が誇示する。そして、昭和時代の風情漂う食堂や、貴賓室など、懐かしい趣きに心惹かれる。

旧一・二等客待合室、チッキ(手荷物)取扱所など、駅内には昔の面影が数多く残る。駅舎から離れた場所にあるトイレも興味深い見所だ。幸運の手水鉢や大正時代の水洗便所が、時を超えて訪れる人々を楽しませる。

門司港駅は他とは一線を画す個性を持つ。レトロな制服を身に纏った駅員たちが、心温まるサービスを届ける。また、肉声アナウンスが優しく響きわたり、駅全体に独特の雰囲気が息づく。

映画やテレビドラマのロケ地としても頻繁に使われ、その歴史と魅力が遠くまで響き渡る。100年を超える大正ロマンが、駅に香る。保存修理工事によって、門司港駅の歴史的価値が再び蘇ったのだ。この駅は観光客や地元の人々に愛される特別な場所であり、独自の魅力を放ち続けるのである。

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